20180728 野外コンサートの思い出

お腹の中にいた時から聞いていたアーティストの

コンサートに行った。

43年ファンをしている母と一緒に。

真夏の野外。会場までの交通の便もかなり悪い。

台風が近づいていて、直前まで開催されるかどうかドキドキしていた。

開催が確定し、母と電車とバスに揺られ、

炎天下(とはいえ台風のおかげでかなり涼しかった!)の下入場列に並び、

山の斜面の急な階段を下って会場にたどり着いた。

故郷の海をバックにした舞台、舞台をぐるりと囲む客席。

席のすぐ隣に、メイン花道とサブステージ。

心が震えた。暑さがすっと引いた。

開演直前の映像で感極まって涙がこみあげる。

そして、開演。

姿を現した本日の主役は、登場するなりメインステージからさっと飛び出して軽やかに花道を駆け上がり、

すぐ横のサブステージで1曲目が始まった。

涙腺崩壊。大号泣。

そこからはもう夢の時間だった。

楽しくて、嬉しくて、とにかく近くて、

歌声に心がぎゅっとなったり、

勾配の激しい会場を所狭しと縦横無尽に移動する姿にただただ圧倒されたり、

夕焼けの美しさにはっとしたり、

ありがとうと何度も頭を下げる御年70歳のアーティストの姿に、

こちらこそありがとう―――と心の中で、声に出して何度も何度も叫んだ。

目に入る他の観客のみんなの顔がきらきらしていた。

あっという間の夢のような3時間だった。

70歳で、あの歌声と、パフォーマンスを披露する裏には、

どれほどの自己研鑽と努力の継続があるのだろうと気が遠くなった。

プロフェッショナルの極みに触れた。

美しい音楽と歌を生み出し続け、奏で続けている尊さ。

お腹にいたときから聞いている音楽。

細胞レベルで体と心にすっと染み込んでくる音楽。

その作り手でもあり歌い手のエネルギーを全身で浴びたひと時。

この日のことは一生忘れない。

そして、70歳になるまで、折に触れ我が身を振り返り、

背筋をしゃんと伸ばしたい。

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